09/21/2005

鐘つき

鍼灸師、院主先生のブログ雑想雑思で、治療に必要不可欠な鍼を刺す技術を向上させるために、いろいろな訓練を試みる話があった。

最近はサボっているが、一時はよく左に箸を持ち替えてご飯を食べていた。左右がより自由に使えるようにするためである。マッサージなどの手技療法では、左右同じように使っているつもりだが、実際は微妙に違いがあるだろう。どちらの手でも鍼が打てるくらいでちょうどだと師匠に言われた。

本文を読むと、院主先生は利き手でない左手を開発するために始めたはずの和太鼓が気に入り、すっかり病、膏肓に入ってしまい、いまでは鍼の訓練はどうでもよくなったご様子。

利き手の反対側の手を開発するわけではないが、似た話で面白いなぁと思うのがお寺の鐘つき。

鐘はうまくつかないといい音が出ない。何度かつくうちに、鍼を打つ動作と似たところがあるのに気づいた。
ちょっとしたことだが、つく前に、撞木を触れない程度にちょっと鐘へ寄せて、そこから後ろへスイングを開始すると、スムーズに動ける。

院主先生のブログに、鍼を打つ時の両手の役割分担について

身体に鍼を打つ時は、利き手で鍼の柄を持ち、反対の手の指を皮膚に密着させておこなう。上にある手を刺し手、下にある手を押し手と呼ぶが、押し手が拙ければ刺し手をどんなに工夫してもうまくいくことはない。

と説明されているとおり、鍼を持っていない方の手、「押し手」の役割がより重要なのだが、その「押し手」に相当するのが、鐘つきではスイングの前に撞木をちょっと鐘に寄せる動作に相当するように思う。
後ろへのスイングから帰ってきて前へ撞木をぶつけるのが鍼を持っている方の手、「刺し手」ということになる。

釣り鐘には、撞木の当たるところが丸く盛り上げて加工されているが、それを人体のツボに、撞木を鍼に、と見立てれば、これも立派な鍼の修行。いい音が出れば、当然、いい治療につながる。

さいきんは鐘楼を見ると、鐘をつきたくなってしょうがない。

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06/23/2005

全日本鍼灸学会不祥事

全日本鍼灸学会 経理部長が1500万円着服

全日本鍼灸学会というのは鍼灸業界最大手の学術団体。それなりに信頼も集めていたはずだったが・・・・。

上記報道に対して、全日本鍼灸学会のサイトにアナウンスメントが出ていた。

横領事件に関する報道について

それによると、横領した前経理部長は除名処分とし、かつ横領額を全額返済する約束になっており、そのことに関して既に会員に対して報告済みである、とのこと。報道された内容についてはもう済んでしまった過去のことであるというスタンス。

しかし、報道によると

学会側は「刑事告訴するかどうかはまだ決めておらず、返済状況などをみて判断したい」としている。
自分たちが出した金がまんまと盗られたのに警察沙汰にしない、ということについて、全日本鍼灸学会の会員はどう思ってるんだろう。金を盗んだのが鍼灸業界のエライさんなので、告訴に二の足を踏んでいるのだろうか。

自分が鍼灸師なので、思わずこのニュースに反応してしまいました。

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04/08/2005

明治鍼灸大、iPod shuffleでお勉強

iPod shuffleでツボ学習 明治鍼灸大、新入生に配布

情報元:[N]ネタフル

 明治鍼灸大学(京都府船井郡)は、2005年度の新入生全員にiPod shuffle(512Mバイト版)を無償配布する。サーバに収録したシラバスや教育コンテンツ、ツボ学習用数え歌などを、学内iMacからshuffleに転送し、持ち運べるようにする。

明治鍼灸大学は鍼灸師の免許が取れる4年制大学。学内の情報システムはMacで固められているようだ。私は鍼灸師だが、業界の知人に明治鍼灸大学関係者は多い。Mac愛用者が楽しい大学生活を送れそうな大学だな。

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11/27/2004

鍼灸治療体験記(腕の痛み)

じつは、当ブログはもともと、「鍼灸師のブログ」というのがウリだったのだ。開始当初は同業者のブログは他に見当たらなかったので希少価値があった。
その証拠に、「業種別blog百選—和尚さんから悪徳不動産まで—」という記事の鍼灸師部門に採用されたり、週刊アスキー別冊(2004.6.29号)「300万人のブログ大全」で鍼灸師のブログとして紹介されたりもした。

ところが、それから半年も経たないうちに、鍼灸師のブログがどんどん増えて、珍しくも何ともなくなった。
それじゃあウチはもういいやってんで、当ブログから鍼灸色をどんどん薄めていって今日に至っている。

しかし、やっぱりたまには鍼灸ネタも書きたくなる。

鍼灸治療 (MINMINの麗しき山旅 ~ときどき日記~)

上記リンク先は鍼灸治療を初めて受けた人の体験記。

詳細は省きますが、要は明らかに効果があったので、西洋医学真っ青!! まさか、これで完治することはないのですが、現在病院との関係で本格治療まであと3ヶ月も待たなければならない私にとっては、とても嬉しい涙もんです。まだ、最終的にはどの程度持病に効いているのか、もちろん毎日の体調との調子をみて最終的にどうだったか・・・・と判断するつもりですが、少なくとも嬉しい効果に満足。

なかなかの満足度のようで、鍼灸関係者としては、うれしく読ませていただいた。

合計7000円強と決して安くはないのだが、これが面白いことに、症状が私のように、腕とその他の症状と全く2つのイメージを直すものなのだが、値段は全部同じ。だから、あっちも、こっちも悪い人も全部同じ料金なんで、なんか変な感じがするけど割安感?がある。

そうそう。そう言われれば鍼灸は割安感がある治療法かもしれないなぁ。
上記ブログを読むまであまり意識してなかったけど、たしかに鍼灸治療では、普通、いくつの症状に治療をしたかによって値段は変わらない。
なぜなら、伝統的鍼灸医学では、全身を一体として治療するので、たった一本の針でいくつもの症状が取れたりするから、治療する側の労力は症状の数の多少であまり変わらないから。
逆に、たった一つの症状がいくつもの原因から起こっていて、それを取り除くのに四苦八苦することもある。
つまり、患者の訴える症状の数の多さと治療の難しさは必ずしも比例しない。

じっさい、一本の針を一つのツボに刺すだけで肩こりと腰痛を取り除く、なんてのは私の勤める治療院でもよくあるケースだ。微妙に鍼の深さを変えることで両方に対応可能なのである。

上記ブログは

これで、本当に腕の方もちゃんと治ると、もっと嬉しさ100倍なんだけど。。。。。
と結ばれており、肝心の主訴がまだ残っていることを気にかけておられる。
でも、治療には難しいものも簡単なものもあって、症状によっては時間がかかることもあるんですよね・・・。

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11/21/2004

Dr.カーターに鍼治療

昨夜放送のER、第163話「需要と供給」SUPPLIES AND DEMANDSで、腰痛に悩むカーターが中国系の医学生マウから鍼治療を受けていた。

カーターは東洋医学をまったく信用していないらしく、マウからの再三の治療の申し出を断り続けていた。しかし辛抱できなくなって、けっきょく藁にもすがらざるを得なくなり、彼の申し出を受けいれて鍼治療を受けた。

カーターの腰痛は、ジン・メイ・チェンが辞めるきっかけになった一件(誤診で患者を死なせてしまった)の時に、向かいの食堂にER部長のケリーを呼びに走った時に慌てて路上で転んで起こった外傷性のものだ。つまり、鍼灸の治療体系の中では「骨傷科」というものに属する。

ドラマでは腰に3本鍼が刺入されていた。真横からのショットだったのでよくわからなかったが、ツボとしては左右の腎兪と腰陽関あたりのように見えた。

もちろんそれが一般視聴者にはいちばんわかりやすいように考えられた演出であることはわかっている。しかし。

痛めてすぐならば、軽い局所治療もアリだと思うが、それだけ日が経ってから、いわゆる「痛いとこ針」(痛みのある箇所に直接針を刺す)をしているのは、テレビドラマだとはいえ、見ていてあまり気分のいいものではなかった。

骨傷科の鍼治療は経絡・経筋というものを抜きにして成り立たない。経絡・経筋を考えたら手のツボ、足のツボなども使わないとおかしい。どうしても違和感を感じてしまった。

医学生マウは香港で中国医学を勉強したようだから、腰以外にも、それなりにリーズナブルなツボを使って骨傷科の鍼灸治療をしてくれたにちがいない、と自分に言い聞かせていちおう納得した。

テレビドラマの中の話とはいえ、カーター先生の腰痛の経過がしばらく気になりそう。
フィクションにこんなに突っ込みたくなったのは、現実逃避願望の現われかもしれない。

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10/03/2004

ついにわかった!光ディスクの高速書き換え原理

ついにわかった!光ディスクの高速書き換え原理

情報元:骨ニュース

すっかり身近になったCD・DVDなどの光ディスクメディアだが、実は、なぜレーザを当てると反射率が変わるのか原理がよくわかってなかったらしい。
それがやっと解明されたという話である。

「やったらそうなるけど、なぜかはわからない」状態でも、これだけ世の中の役に立っているのだから、原理が解明されなくてもまったく差し支えないのかもしれない。

私の仕事である鍼灸治療もそれに似たところがあり、「やったらそうなる」ことはわかっているが、医学的・科学的にはまだその作用機序がよくわかっていないことが多い。まさに「やったらそうなるけど、なぜかはわからない」状態だ。でもちゃんと人の役に立っているのだから別にいいか、と思う。

注:「やったらそうなるけど、なぜかはわからない」のは、現在の自然科学・西洋医学の水準から見た場合の話である。本来、鍼灸治療の原理は科学的に解明できるはずなのだが、それはまだ未来のことのようだ。
中国医学の体系の中では「なぜそうなるか」の説明は確立しており、その原理原則に従って治療は行われる。中国医学では、どういう場合にどういう治療をしたら治るのかという現象面が緻密に考察されているので、実際の治療としてはかなり有用である。

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08/31/2004

針で魚を眠らせる

活魚を針で眠らせ出荷

情報元:私たんニュース 2004,08-29,23:16

畳針のような長さ20センチほどの針を魚のある個所に刺すと、魚は運動神経がまひし、呼吸はするものの泳げなくなる。

薬を使わず、針を刺すだけで魚を仮死状態にして活魚のまま新鮮さを保つという技術があるそうだ。ただし、それをできる人は日本に5人しかいない。

針で獲物を麻痺させるなんて、「ファーブル昆虫記」に出てくる狩人蜂みたい。(捕まえた虫に針を刺して麻痺させ、生きたまま幼虫の餌にするという蜂がいる)

きっと麻痺してしまうツボがあるのだろう。5人しかできない技術と聞くと、思わず鍼師としてはあこがれてしまう。

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08/08/2004

外国人優遇措置?

ある国会議員秘書が自分のブログで、中国・台湾の鍼灸・マッサージの有資格者は日本でもその資格を認めるべきであるという意見表明をしている。

資格試験の受験資格での外国人差別
鍼灸師試験の受験資格

現在、日本で鍼灸、あんまマッサージ指圧の仕事をするためには、指定された学校に3年間通って国家試験に合格しなければならない。

ところが、上記の議員秘書様は、自国で鍼灸やマッサージの免許を持つ外国人(中国人・台湾人)が、日本人と同様に3年間日本の学校に通い日本の国家試験に合格しないと日本国内で営業できないというのは外国人差別であるとおっしゃる。

日本人であろうと、外国人であろうと、

例外なしに鍼灸学校を卒業しなければ受験できないという仕組みであることの必然性はない。
とのことである。

正直、たいへんびっくりしました。
日本人鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の立場を弱めるべく意図される日本国国会議員の秘書様がいらっしゃるとは。

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07/20/2004

針のむしろ

鍼灸師の笑えない失敗談が海外のニュースにあった。
Waiting on Pins and Needles -- Literally

情報元:黒色最強生物

情報元の黒色最強生物さんが"on pins and needles"を「針のむしろ」と訳されたのは、どんぴしゃ!って感じの名訳なのでそのまま真似させていただきました。
リンク先は英文サイトなので、拙訳をば。
文字通り、針のむしろの上で待たされる

ベルリン(ロイター)- ドイツで鍼治療を受けた患者が、治療中に針を刺されたまま忘れられ、ドクターは医院の戸締まりをして家に帰ってしまい、治療院にそのまま置き去りにされるという事件があったと、ハノーバー警察当局から木曜日に発表があった。

その41歳の婦人は、その日、鍼を皮膚に刺すことで病気を予防したり痛みを軽減させるといわれている伝統的中国医学による治療を受けようと午後の予約を入れてドイツ北部の町からやってきたという。

鍼のドクターは治療室に彼女を置いて出て行った。はじめ彼女はドクターの不在はそんなに長くはかかるまいと思っていた。なぜならまだ鍼が彼女の身体に刺さったままだったからである。

90分後、婦人は誰かを呼ぼうと叫びはじめた。誰もこたえる人がなかったので、彼女は自分が一人で建物内に閉じこめられていることに気がついた。彼女は電話で警察に助けを求め、連絡を受けたドクターが戻ってきたところでやっと解放されたとのことである。

じつは、これとかなり似た実話を当事者から直接聞いたことがあります・・・・。
そのときは患者さんの叫び声が鍼灸師の耳に届き、閉めてしまう前に気づいたのでよかったのですが、ひとつ間違うと同じことになっていたかも・・・・という内容でした。

私は気が小さいので、ここまで大胆な間違いを犯したことはまだありません。
もちろんこんなことはあってはならないことなんですが、起こったからには、やっぱり他山の石としなくてはいけないと思います。

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07/17/2004

表現の自由

はりきゅう BBS

2385 雑氏ャ興
Name: piko
Date: 2004.07.17 Sat 01:32:21
今月創刊された雑誌サーカス(白石美帆が表紙)の最後のほうのページにAV女優が何百本という銀鍼を串刺しにされたヌード写真が掲載されており非常に衝撃を受けました!
針がエロの道具に使われてるようで腹立たしく思いました!
雑誌見たかた意見を聞かせてください!
2393 Name: 灸介
Date:2004.07.17 Sat 11:57:31
こんなのが市民権ですか?
こんなイメージの市民権でよいのかな?
鍼は鍼灸師にとっては神聖な治療用具でしょうが。
鍼灸師としてはPikoさんが正常な感覚だとおもいますよ 。

鍼灸業界のポータルサイト、harikyu.comの掲示板に上記のようなスレが立った。
現在のところ、針は鍼灸師にとって「神聖な」治療の道具であるので、ヌード写真ごときに供されるなどとはもってのほかである、との意見が優勢にスレが進んでいる。
管理人さんは、いかに「神聖な」鍼灸業界であっても、表現の自由からは逃れられないのだという至極まっとうな論旨で書き込んでおられるが、まだ味方が現われていないのでなんだか旗色が悪い。

しかし、井の中の蛙だよなぁ。

鍼灸師の意識が世界のどっちを向いているのか?っていうのが垣間見えそうな気がして、このスレの今後の展開に注目している。

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より以前の記事一覧